小澤實さん来店。「澤」で永田耕衣特集号を出されるとか、ついては編輯者の目から見た耕衣について書けとの仰せ。耕衣さんとは親しく接してきたが文章にまとめたことはない。わたしに書けるかどうか分からないが、取敢えず受けることにした。
十代の頃、天才と謳われた橋本真理さんが数十年ぶりに詩集を上梓した。そこで小澤さんを焚き付けて耕衣俳句について書いていただくことになった。彼女が二十歳のころに書いた三橋敏夫論がわたしのなかに強烈な印象を残している。真理さんはわたしと同い年だが、三橋敏夫に着目したおそらく最初の詩人でなかったか。高橋睦郎さんにそのはなしをしたところ、彼女はとにかく頭が良い、将来をもっとも嘱望されていた詩人だったと。原稿はまだだが、鶴首して待つ。
わたしは談林俳句とシュルレアリスムの関係について書いた。シュルレアリスムの技法であるデペイズマン、オートマティスム、コラージュ等は談林俳句の中にいくらでも見て取れる。其の辺りについて七枚ほど書いた。真理さんと原稿が並ぶのは光栄と思っている。
本日、書物の写真撮影も終了。間村さんがわたしの造った耕衣本について書いてくださるそうである。いろいろと楽しみが増えた。