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小沢一郎   一考   

 

 原発由来の放射線が大した問題でないと云うことと、原発は経済にとって必要であると云うのは論理的整合性に欠けている。事実認識はひとによって異なる筈がないのだが、現実には異なる。論拠を持たずに好悪で判断する恰好の例かと思われる。そして、そのような暴論を吐くのは東京在のひとに限られる。
 地方在の原発の恩恵を被るのは都会である。だとすれば原発は都会にこそ相応しい。東京周辺に原発を拵えるのは論理の必然的帰着である。
 前述の発言の底に滅びの思想があればともかく、滅びを抱きつつの経済論はなかろうと思う。暴論とする理由である。あらゆる種類の経済学は如何わしい。情念の入り込む余地がもっとも少ないのが経済学でないだろうか。

 政治家がいないと多くのひとは云う、しかしわたしに云わせれば小沢一郎がいる。彼は自民党を割った93年以来、政局のひととなった。五十五年体制の瓦解が彼の目差すところであれば致し方のないことである。政局を宿命として彼は生きた、生きつづけなければならない。
 爾来、09年の第45回衆議院議員総選挙での政権交代に至るまで小沢の目覚ましい活躍はつづく。小選挙区制の導入をはじめ、二大政党制に持って行きたいという明確なビジョン等、小沢の姿勢は首尾一貫している。この二十年ほどの政治は彼と小泉を抜きにして考えられない。良きにつけ悪しきにつけ民主党の首相候補のなかで人間的魅力があるのは小沢一郎だけ、と云ったのは西部邁だが、言葉の正確な意味においてわたしは深く同意する。
 政権交代によって小沢の為事は政局から「日本改造計画」の履行へ変わったかに思えた。ところが、今回の統一地方選は大敗に終わった。菅のお陰で襤褸襤褸になった地方組織を建て直さなければならない。だとすれば、小沢にはもう一度政局の場へ戻っていただくしかない。そうでなければ折角の二大政党制は生きてこない。民主党を一から再構築するか、もしくは政界再編である。思うに、小沢はよくよく恵まれない政治家である。まるで政局が彼の唯一の為事であるかのごとく。しかし、五十五年体制を徹底的に崩壊させるには小沢が必要である。彼にしてはじめて可能な荒事である。
 自分に自信のないひと、個としての自覚がないひとほど、世論を重視する。世論は風俗に過ぎぬ。作為的な世論形成に背を向けて、小沢はひとりわが道を行く。小沢の行動力と実績、そのバイタリティーにまだまだわたしは期待を抱いている。

追記
 「小沢一郎の三人の秘書、石川知裕衆議院議員、大久保隆規、池田光智に対する裁判がはじまった・・・吉田正喜元特捜副部長をはじめ、田代政弘、前田恒彦と札付きの検事が取り調べを担当。冤罪だった村木厚子元厚労局長への取り調べと構図を一にする。
 そもそも小沢一郎の事件(事件かどうかは分からないが)は検察のリークとそれを鵜呑にしたマスメディアが主をなす。担当検事の一名は左遷、一名は退職、一名は獄中にある。」
 2011年02月11日に上記「札付き」を書いた。93年以来、一貫してわたしは小沢一郎さんのファンである。


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2011年04月25日 20:32に投稿された記事のページです。

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