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天災と人災   一考   

 

 前項で書き忘れたことがある。阪神淡路大震災では家屋の倒壊に公的補償は付かず、火災保険は天災ということで免責になった。支払われたのは地震保険のみ、ちなみに地震保険の支払い金額は七百八十三億円だった。爾来、地震保険が一般化される。
 本来、地震や津波などの天変地異による被害では保険会社は免責になる。加入者に対する死亡保険金や給付金の支払いから免除されるのである。しかし、今回は生命保険や損害保険を全額支払うことで業界が一致結束している。阪神淡路大震災を超える多大な被害が予想されるが、復興を支援するためにも業界は支払うという。されば保険の方は問題ない。米リスク調査会社の試算によると、地震と津波による保険対象の損害額が最大三百億ドル(約二兆四千四百億円)に上るという。
 今回は天災と人災とが複雑に絡み合っている、例えば福島県のように。保険会社同様の超法規的判断が政府によってなされれば良いが、杓子定規な菅、岡田体制では望むべくもない。結果、人災は補償され、天災は補償されないということになる。この場合の人災とは原発を指す。要するに、同じ罹災地でありながら補償に格差が生じる。おそらく、罹災者にとっては納得のいかない格差になると思う。
 避難地域が八十キロでなく二十キロになっているのは、生じる補償金の減額を狙ってのことである。民主党とマニフェストとの相関関係しか念頭になく、非常時との認識は岡田幹事長の頭のなかにはまったくない。これは阪神淡路大震災時の村山首相の発想と同じである。家を再建するなら自己責任でどうぞ、である。
 二十キロから三十キロのあいだの住民は自主避難ということになって、当然補償の圏外になる。思うに、福島県下の相馬、鹿島、原町、小高、浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野、いわき等では遺体の捜索すら満足になされていない。被災者数が最後まで判然としない地域になるだろう。天災か人災か、福島に於ける罹災者の選別が難航するは必至。


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2011年03月27日 23:41に投稿された記事のページです。

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