某ワイドショーで鳥越俊太郎と山本一太自民党参院政審会長のバトルがあった。前原外務大臣の辞任について鳥越曰く、
外国人といっても在日韓国人は長く日本に住み、仕事をし、税金を払っており、表面的には日本人と変わらない。法の趣旨は、外国人が政治的な影響を及ぼしてはいけないということだが、焼肉屋のオバちゃんの献金にそれほどの影響力はないはずだ。一応まあ決まりだから、と事務的に返金すればすむはなしだろう、と。
一方、山本一太は前原外務大臣の辞任さらには民主党の解散総選挙が目的だから、「鳥越さんの言うことは暴論、あまりに極論だ」と噛みつく。
ここで大切なのは在日朝鮮人ら永住外国人の地方参政権の問題である。地方参政権に止まらない。納税の義務を果たしていながら選挙権を与えないという根本的な差別問題にある。話をそこまで掘り下げれば山本一太の立場はなくなる。しかるに、鳥越の弁を暴論とはよく云ったものである。前原が自民党の福田元総理が北朝鮮系企業から献金を受けていたのを強弁していたが、他人がしているのだからわたしも構わないと云った種類の発言こそが暴論であろう。
法律というものは時節によってどうにでも変化してゆく。その法律を越えたところに理念や情念がある。わたしは前原を好きではないし、また政治から遠ざかろうとしている鳥越も好きでない。かと云って山本の教条主義的な物言いはさらに好まない、憎悪すら感じる。
追記
根本的な差別問題と書いたが、念頭にあったのは1925年以前の制限選挙である。日本国籍を持ち、かつ内地に居住するとの条件は当然であって、在日と帰化した人とを同日に語るのは不用意。謝罪の他なし。