穿刺に失敗、十数センチの針先が動脈を突き抜けてしまった。若干の内出血だが、これは明日から二、三日痛みを伴う。身体の順応性には怖ろしいものがあって、骨折も何回も繰り返していると、自分で修理ができるようになる。この前の靭帯剥離骨折ははじめてなので、思うようにいかなかったが、手脚の単純骨折はレントゲンで確認するだけで、修復は自前で行ってきた。今回の穿刺ミスも前の病院で経験済みなので、どうということはない。周章てたのは看護師でどうしましょうかと訊く、どうとでもしてくれ、と云って湿布を貼るしかなかっぺと応える。一同大笑いで幕。
今日から透析の器械が新しくなった。わたしの回りに四、五人の技師、看護師がたむろし、器械を弄くっている。ところで、今日の除水は五百ミリリットル、渡辺さんはやはり食事をしていないと云われ、下着を捲りあげて腹を見せる。喰ってるんだよ、のデモンストレーションである。先程の看護師が器械が新しくなったので、長生きするわよ。不必要な長生きなんぞしたくもないのに。