クリニックの室温は27度から29度に保たれている。為事をしているとうっすらと汗ばむ温度だが、こちらは身動きできず寝ているだけ、従って寒く感じるときもある。
体感温度は体内へ戻す血液の温度に大きく影響される。冬場は体温プラス0.5度が適温らしい。わたしの体温は36.0度から36.2度なので36.5度が相応しい。回りを見回すと37.0度がほとんどである。透析をはじめたのは去年の八月末だが年内は36.0度、年が明けてから36.5度を選択している。
透析は四時間だが、わたしは新米なので順番が最期になる。従って拘束時間は五時間。この間はトイレに行かれない。みなさんは食事したりお茶を飲んだりなさっているが、わたしにそうした余裕はない。わたしは男性だからまだしも、尿道の短い女性だと大変だろうと思う。朝起きるとまずトイレへ行って便意を調整するのが日課だが、便秘や下痢は禁物、二日酔も厳禁である。熱も風邪も食あたりも、とにかく下痢に結びつくことは一切禁止されている。禁止と書いたが、意志力だけで風邪を引かずに済むものかどうか、わたしには自信がない。これは一種の修行のようなものに違いない。
飲酒は土曜日の深夜に限られるが、ギネスの小瓶一本に収めている。ほんとうは燗酒が飲みたいのだが、癖になると困るので遠慮している。今頃は真澄のあらばしりが旨いのだが。