五箇月目に入って穿刺に使っている箇所の皮膚が硬化してきた。技師によると硬化したところから瘤のように膨らんでくるらしい、そして硬化した部分は神経も麻痺し痛みがなくなると。ところが、わたしの場合は硬化した部分に限って大層痛い。これも個体差なのかもしれない。
血管というものは畝っている。最初は真っ直ぐに見える血管も太く発達すればするほど上下左右に歪んでくる。穿刺には四、五センチの真っ直ぐな部分が必要なのだが、そのような箇所は現在のところ二箇所しかない。他の患者を見ていても、肩から手首まで腕の表裏のさまざまなところを穿刺している。みなさんがそれなりに四苦八苦しているのが分かる。
今は静脈を用いているが、ずっと動脈へ血液を戻していた。その傷跡があと一週間ほどで癒える。癒えれば血液の採取口として使いたいのだが、謂わば血管の支線であって本線でない。よって充分な血量が採れるかどうか不明である。貰えるユーパッチ(痛み止め)は二枚のみ、従ってユーパッチを二分割して用いるしかない。間違いのない箇所と不明の箇所の双方である。どうあっても痛みは避けたいと思っている。