動脈、静脈ともに位置を変えてうまくいった。刺し直しがあったが、久しぶりに痛みを伴わない透析だった。ただ、静脈の止血に失敗、回りを少々血で汚した。静脈側はバンド、動脈側は手で圧さえて止血する。手のセンサーはすぐれているがバンドはそうはいかない、たまには血が吹き出ることもある。
それにしても針が刺さってくるときの痛みというか、皮膚の引き攣った感がないというのは嬉しい。痛みを顧みながら穿刺の位置を自分で決めなければならないのがよく分かった。看護師や技師はこちらの注文を注意深く聴いてくださる。黙っていては分からない、痛い目に合うのは自分である。
看護師によると穿刺の痛みに耐えかねて透析を諦める方がいるそうな。当然、命を失うわけだが、そこまで行くまえにどうして看護師や技師と話し合わなかったのかと思う。受け身でいてはなにひとつ解決しない。痛みに耐えるのが闘いでなく、看護師や技師と共に痛みを避けるための方策を探す、病と闘うとはその探求心のことでないだろうか。