欧州では原則マスクをしない。全くしないというわけではないが、それは塗装とか手術中の医師とかに限られる。飛行場へ降り立った日本人がマスクを掛けているのを見て、外国人は驚くようである。そしてわたしが通うクリニックは全員がマスク着用である。そこで訊いてみた。
血液を触る場合は本当はゴーグルをしないといけないらしい。しかし、そのような完全装備だと患者に負担をかける。そこでマスクと手袋の着用に及ぶそうな。さらに質問。血液検査は二週間ごとだが、HIVや各種性病、HTLV-1や肝炎などの検査はしているのかと。
かかる検査はしていないとの返事が返ってきたのには驚かされた。わたしは輸血の前後は当然として、それからは病院が変わるたびにその種の検査を繰り返している。北里ではHIVの検査のため、捺印した書面まで提出させられた。当然、クリニックでもしていると思い込んでいた。
心当たりがないならともかく、もしあれば(例え相手が連れ添いであろうとも)性病検査ぐらいは受けるのがマナーだと思う。かつてわたしの女友達も毎年検査はしていた。先進国は減り続けているのにわが国の性病患者は増え続けている、理由はそのようなマナーの欠落にあるに違いない。
口にマスクをするのなら下のマスクもお忘れなくと云いたいところだが、どうやらあのマスクは単に流行りでしているようである。