火曜日から木曜日は食事を抜き、金曜日は深夜の一食のみ、火曜日の穿刺が痛かったからである。おそらく神経に触ったのだと思う。透析中から違和感はあったものの、透析中の四時間半ほどは身動きできない。針を抜いた辺りから激痛に見舞われた。
血管内留置針は金属(人工臓器用穿刺針、AVフィスチュラ)とカニュ−ラ(テフロンやポリプロピレン製)があって、わたしが通うクリニックはポリプロピレンを用いている。針本体は十センチほどの長さでステンレス製だと思うが、その上をスライドさせてカニュ−ラを刺す、序で金属針を抜き出すという二重構造になっている。
激痛と書いたが、そのことを病院では喋っていない。穿刺の巧い下手が理由でないので、穿刺者に悪いからである。神経がどこを走っているかは個々に異なる、事前にそのようなことは本人ですら把握できない。患者のサイトでよく穿刺に関する悪口が書き込まれているが、何度も刺されれる、もしくは血管を突き抜いて内出血すれば腹が立つだろうが、そうでない限りは穿刺者の責任にはならない。間が悪いとしか云いようがない。
木曜日の透析では痛い箇所をずらし、針を反対方向から刺してもらった。前回とは一センチほどずらしたわけだが、やはり痛くて呻っていた。金曜日には湿布を貼って怺えたが、痛みがなくなったのは土曜日の朝だった。
動脈(元は静脈)の心臓に近い方を静脈、遠い方を動脈と便宜的に呼んでいる。今日は血液を体内に戻す側に本物の静脈を用いた。静脈は細くてカニュ−ラと同じぐらいである。要するに穿刺に高等技術が必要になる。しかし、そうでもして動脈側の使用できる部分を増やさないと叶わない。この四箇月、わずか二センチの幅に六十回を越す穿刺が繰り返されたことになる。静脈側は理屈ではどこでも良いのだから、これで動脈側の使用範囲が倍になる。
北里で一度血管を突き抜いている。そのときはなんともなかったが、次の日から内出血部に痛みが出た。しかし、今回の痛みはそんなものでなかった。もっとも、ブラックアウトに比べれば痛みといえるようなものでないのだが。
追記
今日はじめて用いた静脈の止血がうまくいかず、十五分ほど掛かった。馴れるのに一箇月は必要とのことだった。