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赤坂見附陸橋下   一考   

 

 食事制限が効いてリン減少、一安心である。その代わりカリウムが増えているが、この三箇月除去剤のカリメートを服用していない。リンと違ってカリウムは御しやすい。骨密度も平均値に戻ったようである。昨年七月十五日の靭帯剥離骨折の前後は相当に危険な状態だった。骨折が続くのを防ぐためにオートバイに乗るのを諦めた。
 赤坂見附陸橋下の北側の横断歩道は丁度七十歩、松葉杖はおろか、歩かれるようになってからも一気に渡るのは不可能だった。ほぼ四箇月のあいだ、横断歩道の真ん中で座り込んでいた。そして昨年十月には失血による輸血、その後は腎不全の慢性化による歩行困難で歩くことかわなず、本年八月に透析をはじめるまで魔の交差点と思っていた。それが今では青信号のうちに渡ることができるようになった。一年余のあいだ、難渋させられた交差点だが、それゆえの愛着もある。
 一年前から同所に浮浪者が住みついている。先月からは蒲団の上にブルーシートを掛けて暖を取っている。夕刻には通行人を見定めるかのごとくぎょろりと観察している。浮浪者にしてはきつい目である。媚るようなもしくは部外者への畏れのようなものは微塵も感じられない。あの巷を睥睨する眼差しの裏側を覗いてみたいと思っている。


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2010年12月24日 05:49に投稿された記事のページです。

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