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少女の死   一考   

 

 十八歳の少女が透析を拒否して九月に死んだ。マスコミで大きく取上げられたのでご存じの方は多いだろう。彼女は八歳で心臓移植を受け、十五歳のときに人工呼吸器をつけて声を失う。
 主治医との対話は携帯電話のメール、手書きのボード、そして表情豊かな笑顔。数度に及ぶ治療のなかで、「次に何かあったら延命しなくていいから」と訴えていたと云う。
 本年六月に腎不全を発症、改めて「延命はいらない」と告げる。八月肺炎を併発、痰を吸引する管が気管に入らず、死亡。
 医師でなく詳細はわたしには判らない。しかし心移植の場合、透析を受けても二年ぐらいの命でなかったかと思われる。病との壮絶な闘いに頭を垂れるしかない。クレアチニンの数値が分からないのでなんとも云えないが、尿毒素との闘いはわたしにも理解できる。肺炎は腎臓を疾んだ人には必ず付きまとう病症である。
 父親は透析を薦めたようだが、彼女の意志は固く、翻すことはなかった。十八歳で覚悟を定めたこと、涓塵の乱れも見せなかったことに涙する。


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2010年12月21日 05:35に投稿された記事のページです。

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