ダケカンバを北海道ではニセカンバとも云う。検索では出てこないが、かなり一般的に用いられている。北海道を旅していて何度か聞かされ、その都度確認したので間違いないだろう。念のために幹郎さんに訊ねたところ、やはり北海道の農学部の人が説明のなかで別称として用いていたらしい。ダケカンバはシラカンバ(白樺)より上層に育つと云われているが、ニセコでは群生している。奥志賀でも大台ヶ原でも、最近行ったところでは榛名山でもやはり群生していた。紅葉の季節には赤と黄と白の三色が鮮やかに乱れる。
昨今、ウィスキーのカスクにはミズナラが多く用いられているが、青森の下北地方のヒバはどうなのだろうか。ヒバは油分の含有量が多く、水を弾くのでまな板をはじめとする調理道具ならびに風呂桶などに用いられる。水を弾く点に問題があるが、油分はフレンチオーク同様ウィスキーに複雑な香味を齎すのでないだろうか。熟成に時間はかかりそうだが、ミズナラも二十年はかかる。フレンチオークのように二年や三年ではどうにもなるまいが。