稲見直子さんから減塩パンの第二弾が送られてきた。リュスティックはエビ、フィセル、バターフランスの三種、それにロデブとカンパーニュである。エビは前回はナッツ入りだったが、今回はクリームチーズが入っている。普通はベーコンと相場が決まっているが、エビにクリームチーズとは奮っている。関さんの山小屋ではモルトウィスキーに合うと好評だったようだが、確かにクリームチーズの僅かな塩分がモルトウィスキーを際立たせる。マッカランやスプリングバンクのような男性的な酒に相応しいリュスティックである。前回のナッツ入りだとノックドゥーのような女性的で香りが高いモルトウィスキーが合う。例によってレシピを紹介する。
リュスティックはメゾンドカイザー・トラディショナル250グラム、グリストミル25グラム、全粒粉(ハルユタカ)25グラム、塩(シチリア産海塩)1グラム、同表面への振りかけ1グラム、イースト小匙八分の一、水250グラム。ちなみに、バターフランスには無塩バターが用いられている。
ロデブは全粒粉20グラム、ライ麦粉30グラム、メゾンドカイザー・トラディショナル200グラム、塩2グラム、イースト小匙四分の一、水200グラム。ちなみに、シチリアは岩塩も有名でスモークをかけたものは特に知られる。炒飯や焼きそばにぴったりだったが、パンにも面白かろうと思う。
オレンジカンパーニュはメゾンドカイザー・トラディショナル240グラム、北海道産石挽ライ麦40グラム、全粒粉(ハルユタカ)20グラム、塩(シチリア産海塩)2グラム、イースト小匙四分の一、砂糖5グラム、水180グラム、清見タンゴールのオレンジピール。
メゾンドカイザー・トラディショナルは蛋白11.0、灰分0.48。全粒粉(ハルユタカ)は蛋白13.5、灰分1.2。ライ麦粉(北海道産)蛋白8.5、灰分1.6。グリストミル蛋白13.5、灰分0.95。以上は含有量だが、若干上下する。
今回のエビとかクロワッサンのように多量のバターやチーズが入っているパンは冷凍できない。よってエビは今日中に馳走になる、他は小分けして冷凍する。稲見さんのご尽力もあって最近は一日一回はパン食である。透析の効果もあって多少のナトリウムは摂ってもよいことになった。とは云っても塩に換算して5グラムが6.5グラムになった程度だが。前項で触れたが醤油やソースは極端に控えている、よって増えた塩分はすべてパンに当てている。
稲見さんが造るパンは市販のそれと違い、中身(麦粉)が濃厚である。同じ体積なら重量は倍近くあって、フランスパンとドイツパンの中間に位置するようなパンである。要は食べ応えのあるパンなのである。その素材が生かされたパンをわたしは楽しんでいる。