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病院食   一考   

 

 這這の体で病院へ帰ってきた、人いきれには滅法弱い。銀行と薬局の他、用事があったのだがなにひとつ片付けられなかった。明日は透析の前に再び胸部レントゲンとか、胸になにかしら問題が生じているのだろうか。三度目のレントゲンである。きっと剛毛が生えているに違いない。

 てんぷらやチキンフライと魚の煮付けもしくは焼き物が交互に続く。入院当日は鯖の味噌煮、二日目は赤魚の粕漬け焼き、三日目はムツの山椒焼き、以降、サワラの蒲焼、アジの梅風味照焼きと続く。チキンフライは親指の先っぽほどのが三切れ、魚は鮭弁当に付いている鮭の三分の一ほどがメインディッシュなのだが、とにかく不味い。考えた献立なのだろうが、魚の活きの悪いのだけはいかように細工しようともいただけない。わたしが東京へ来て魚を食わず、揚げ物ばかり食っているのは魚が不味いからである。今は千葉の結構な魚屋と懇意にしているが、大体が東京の魚なんぞ食えたものでない。活きのよい魚を煮たり焼いたりしてこそ旨いのであって、例えばコチや目鯛などは身離れからしてまったく異なる。臭うような魚だと正体不明の白身魚のフライの方が気が利いている。冷凍品に限定されるのはやむを得ないとして、山椒を振った上で凍らせるとはなにを考えているのか。山椒の匂いのまったくしない山椒焼きをなんと名付ければよいのか。病院の料理には栄養士だけでなく、調理師の参加も必要でないだろうか。

追記1
 その後、病院の栄養士と会った。随分と失礼なことを云ったようだが、不味いものは不味い。ソテーとかお浸しの類いは時間が勝負である。温野菜は十秒とか二十秒とか、ものにもよるが、冷水の用意をした上で、いかに手早く湯通しするかであって、茹ですぎても、水っぽくなってしまっても捨てるしかない。鱧の湯引きなど典型で、湯を引いた後、冷水で締めるが、湯の温かさが残っている状態でいただく。湯をひくのは表面、冷水で締めるのも表面の好例であろうか。
 病院や家庭のような緊張感のない職場で造る場合、もやしナムルやアスパラソテーのような神経質な食べ物は造らないに越したことはない。まずもってびちゃびちゃである。わたしが肯定いたのはシャレーン豆腐ぐらいなもので、かたくりがダマになるという基本的ミスを別にして、まずまずの出来映えだった。
 それと書いておきたいのが、低リンミルクである。これは不味くて飲まれない。小学校低学年のころ、ペプシコーラをはじめて飲んで吐き出したことがあったが、これをミルクとは云わんだろう、が実感である。低リンミルクを飲むしかなければ、ミルクそれ自体を食卓から追放する。今回の入院で参っているのが、朝飯である。無塩パン、ジャム、フルーツ罐、低リンミルクの組み合わせなのだが、ジャムとフルーツ罐の不必要なまでの甘さと無塩パンと低リンミルクのもみなさは際立った対照をなす。要するに気持が悪いのである。食パンのように焼きの甘い無塩パンなど食えたものでない。リンにせよ、ナトリウムにせよ、制限によって食する気がまったくなくなるのであれば、食べない方がよいに決まっている。杓子定規な制限よりも取り入れ可能な制限からはじめるべきでないだろうか。

追記2
 レントゲンを連日撮っているのは心臓の大きさを見ているそうである。透析による水抜きは心臓をコンパクトにし、負担を軽減させるために必要な療法らしい。知らないことを知るのは面白い、興味津々である。


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2010年08月27日 20:30に投稿された記事のページです。

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