レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« つづき | メイン | 交通渋滞 »

北里研究所病院   一考   

 

 朝八時に出掛けて帰ってきたのは六時過ぎ、終日検査漬けだった。
 まず、憩室の出血ならびに大腸のポリープの進行によって腹膜透析は不可能といわれた。主治医の見立て通り、あと二箇月は持たないだろうといわれる。カリウム性心筋梗塞に襲われ、あっけなくご臨終だそうである。十一日から三日間の入院、その二週間後に一週間の入院、要するに八月二十七日から血液透析に這入る。ただし、これは予定で、そこまで持たない可能性が多分にあって緊急入院も有り得るといわれた。
 自分で車を運転してきたことを知ると医師は無茶だという。いくら金数が掛かってもタクシーにすべきだと。買い物にも自分で行くと応えると、それも到底無理な話ですね、と。
 最近はウィスキーのボトルが三十キロのダンベルに思われてくる。五、六本も動かすと全身が悲鳴をあげる。カウンターのなかでは終日座っているのだが、それが二時間と持たない。腰が痛くて呻き声を洩らす。ウィスキーをグラスに入れようとすると目眩いに襲われる。客には申し訳ないのだが、とても笑顔は出てこない。月曜日は増田さんがいらしたが、帰り道で目の焦点が定まらず、危険を感じて三度も四度も停車した。
 医師からは三箇月ほど経てば透析に馴れてくる。そうすれば店の再開は可能だと告げられた。わたしのことだからそれまでに再開するだろうが、その間の店の維持費を捻出しなければならない。居るわけがないのだが、これほど手伝いが欲しいと思ったことはない。

 北里研究所病院の医師は若い、なによりも正直な医師である。質問に対して曖昧な物言いをしない、決して期待を抱かせない、さすが山崎医師の友だと思わせる。わたしはすこぶる好感を持った。初回のシャントは左手首に設ける、十一日の午後三時から医師が直接執刀する。糖尿ではないので、血管は丈夫、脈搏も問題なし。T字帯(越中褌)を持ってくるように云われたが、手首の手術にどうしてT字帯が必要なのか、考えれば考えるほど不思議である。わが息子に予備のシャントを造設するつもりかしら。

追記
 明日から店ははじめるが、開店時間をさらに遅らせて、八時半にする。それ以上立っていられないからである。事情を知らない客に迷惑をかけるので、しばらくの間会員制とする。


←次の記事
「交通渋滞」 
前の記事→
 「つづき」

ですぺら掲示板2.0トップページへ戻る

このページについて...

2010年08月03日 21:08に投稿された記事のページです。

次の記事←
交通渋滞

前の記事→
つづき

他にも
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34