土曜日は店へ助っ人が這入った。ビールとおしぼりと足りないウィスキーを六本補填、しばらくは大丈夫である。(六本のなかにはラフロイグ18年のように一箇月を経ず、売り切れたウィスキーもある。同品には並行輸入もあって香味にマッカランのような違いはない。今回は並行もので1600円に値下げした)。二十四日のモルト会のウィスキーを確認、併せて寡多録と店内在庫の調整を計る。こちらは三日ほど掛かる。序でに家の在庫品を店へ運ばなければならない。
去年の七月から入退院が続き、寡多録はそのままである。寡多録に掲載していないウィスキーが三十本ほどあって、逆に寡多録に掲載されているが在庫切れのウィスキーが三十本ほどある。それと新規ボトルが二、三十本。おそらく二十六日の月曜日に寡多録は一新される。
やっと念願のウィスキーと寡多録に手を加えられる。これが今のわたしにはもっとも嬉しいことである。文面にも手を入れようかなどと欲が出てくる。いっそ定番商品はすべて外した寡多録にしようかと迷ったりもする。そう云えば、蒸留所のオーナーも随分と入れ替わった。先日も書いたが、マッカランのように香味がまるで変わったウィスキーもあれば、シーバス社が抱えていた蒸留所は約半数が店仕舞をした。ウィスキーの歴史も日々変化している。
お名前は存じ上げないが、最近面白いお客がいらっしゃる。金曜日にもいらしたが、舌がずいぶんと鍛えられている、と云うよりは自分の舌を持っている。迂闊な酒は出せないが、なにを出しても実に適確な判断を下される。ウィスキーについて饒舌にならざるを得ない客、そうした客がもう少し増えて欲しいと願う。そうすれば、わたしも少しは元気になるのだが。