カワハギ、イサキ、メバルと毎日刺身を店へ持ってきている。もっとも、一人前か二人前なのだが、今日のメバルは売れ残りそうな気がする。とにかく活きがよいので、昨日は好評だった。売れ残りそうだと書いたのは、わたしが食べたいからでもある。
妙なもので、忙しい筈の週末にはあまりよい魚が這入らない。ハマチ、カンパチ、タイ、ヒラメなど月並な魚ばかりで、磯魚は寡ない。ただ、常備品にさまざまなつぶ貝、ホッキ貝、トコブシが這入っているのが嬉しい。贔屓筋に鮨屋が居るに違いない。
トコブシはアワビと同じミミガイ科の貝だが、殻の背面に並ぶ穴の状態で識別する。アワビでは4、5個なのに対し、トコブシでは6、8個の穴が開いている。昔は子供のおやつ替わりだったが、近頃は高値になった。四センチぐらいので一箇百円ほどする。客がコンスタントにあれば、いろんな刺身が置けるのだが。