腎不全を患う方々のために、確認できたことを毎回書き綴っている。昨夜は夕刻までは調子はいつも通りだった。問題は駐車場からの歩きにはじまった。一キロ歩くのに行きは休憩なし、帰りは三度ほど休んでいる。それが昨日は歩かれない、行きに二度の休憩を取った。
店へ出たあと、早速椅子を並べて十五分ほど横になっていたものの、電話の音で起きた。木村さんからの電話で周章てて開店準備を整えた。三十分ほどはなんともなかったのだが、急速に皮膚感覚がおかしくなってくる。木村さんから外へ出て休めばと云って頂いたが、時すでに遅く、そのままトイレへ駈け込む。便意ではなく猛烈な吐き気である。ちなみに朝飯は十時半、従って空腹を感じていた。そこからして既におかしい、空腹感など感じる筈がないからである。
空戻しが十分ほど続き、それが収まると急速に意識が薄れてゆく。トイレの床に座り込んで失われてゆく意識との格闘が続く。立ち上がろうとしてどうと倒れ込む。出ない筈の汗が吹き出て、全身がびっしょりである。特に顔と頭はまるで水を被ったようにぐしょ濡れになる。なんとか意識を繋ぎ止めようと必至なのだが、朦朧としている。二十分ほど経ったであろうか、トイレのドアの隙間から流れ込む冷たい風に気がついた。普段なら気づかないごく僅かな風である。「ああ、涼しい」これで格闘は終わった。トイレを出て店の椅子を並べて横になる。三十分ほどでカウンターへ復帰するも、ふらふらする。話せるようになったとき、時計を見たのだが九時半、一時間半ほど木村さんを捨て置いたことになる。申し訳ないことをした。
木村さんは高脂血症だそうである。高コレステロール血症でなく、中性脂肪のみが多い高中性脂肪血症。理由は酒の飲み過ぎである。自重なさっているらしいが、身体にだけは気をつけていただきたい。わたしが云うことではないのだが。