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ブラックアウト   一考   

 

 日曜日午後四時過ぎ、ふたたびブラックアウト。周さんとスーパーでの買い物の最中、燈台つぶと海螺貝の二種が入荷していたので、そちらに目をやった途端に立ち眩み、思わずそこに座り込んでしまった。立ち眩みでないことはすぐ分かった。周さんに簡略に事情を説明し、買い物を委ね、急いで車に戻る。スーパーの玄関口あたりで世界はすでに真っ白に変化し、行き交うひとの影もおぼろ。ここから先、車までの移動は覚えていない。あとの記憶は断片的である。
 三十分ほど寝ていたようだが、周さんによると全身の痙攣が酷かったとか。痙攣は記憶からまったく拭い去られている。それにしても、日中の移動は危険を伴う、これからの病院通いに不安が残る。
 繰り返しのなかから、ブラックアウトの予兆のようなものが掴めた気がする。気付いたときから失神までの間に三十秒ほどの時間差がある。この間に待避行動を取ればよいのである。三十秒のあとは、若干の意識はあっても視力が完全に奪われる。今回は体調が戻るのに十二、三時間掛かっている。こちらはどんどん長くなっているようである。


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2010年06月07日 06:07に投稿された記事のページです。

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