引越で愚息の協力を得た。そのことには感謝しつも、彼の腹の出っ張りが気になった。二十歳で腹が出るのは異常である、五十代か六十代のそれである。あのような状況に至るまでにどうして誰かが注意を喚起させなかったのか。食事制限をし、運動に汗水垂らしてもおそらく元に戻るに七、八年は掛かるだろう。なによりも恰好が悪い、祖父が生きておれば不様なと罵ったに違いない。要は食い過ぎなのだが、既に糖尿の兆候が見て取られる、詳細な血液検査を強く薦める。
聞くところによると肉しか食べないようである。魚は鮪の大トロと海胆しか食べないとか。そこへジャンクフードを加えると最悪の食事内容となる。今ならイナダかワラサもしくはアイナメが旨い。イナダなら目下一尺の天然ものが一匹三百円も出せば売っているし、ワラサならブリほどではないにせよ、十分に脂が乗っている。食事の間口を拡げることをお薦めする。それと飯が一番、お菜をいくら食しても満腹感は得られない。体質にもよるが、糖尿を避けるには中華やパスタのような洋食を遠ざけることである。