今日は大阪から前田さんがいらっしゃる日で、自転車談義を楽しみにしていた。そのような日にわたしは気を失うようなのっぴきならない破目に陥った。のんちさんがいらしたので。事なきを得たが、五分ほど人事不省になった。場所は赤坂のはなまるである。気が付くと店長とおぼしき黒服の人とのんちさんが電話をしている。救急車を呼んでいるのが分かった。口から泡を吹いていきなりぶっ倒れたようである。
どこで何時死のうが覚悟はしている。ただ、ベッドに縛り付けられたり、寝たきりになるのだけは避けたい。なんとか救急車だけは勘弁していただき、外へ出るもやはり歩かれない。脚が縺れて、視力が失われている。道端へしゃがみ込んだが、再び昏睡状態に陥る。気が付くと通行人の女性とのんちさんが、救急車を呼びに再度電話をしている。見知った赤坂の街なのだが、焦点が定まらない。抱きかかえられるようにしてなんとか店まで辿り着く。こういうこともあろうかと用意しておいたマットと寝袋を床に敷いていただき横になる。
そうこうしている内に前田さん到着、やがて正気が戻るも、みなさんに悪いことをした。のんちさんには多大な迷惑を掛けてしまった。深くお詫び申し上げる。
意識不明は昨今家にいてもたまに起こる。ただ一、二分で、五分というのは初めてである。愈死の臭いが近づいてきたようである。来週は入院しなければならない。また山崎医師を煩わせることになりそうである。