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サイクルショップ・クサカ   一考   

 

 自転車のフレーム素材の鉄鋼関係では神戸製鋼所、中山製鋼所、大同特殊鋼、山陽特殊製鋼があり、非鉄金属では日本軽金属、大紀アルミニウム工業所、大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウム、住友軽金属工業がある。2008年7月のコベルコのニュースによると、パナソニック・サイクルテック株式会社から2008年6月20日に発売された「軽量プレミアム電動自転車"チタンライトEB"」のフレーム素材に、神戸製鋼所(TSE:5406)のチタン溶接管が採用された、とある。正確には同グループの神鋼特殊鋼管である。
 考えてみれば、神戸製鋼所とチタン溶接管の歴史は古い。最初にチタニウムのフレームを売り出したのはフジで、86年発売となっているが、実際は84年に既に存在していた。いかなる経緯で流れたものかはともかく、わたしがチタニウムのフレームを入手したのは84年の末だったと思う。余談だが、ケンメリスカイラインGT-RとフェアレディZ432が履いていたマグホイールも神戸製鋼所の製作によるもの。
 自転車に戻るが、フジのチタニウムフレームは神戸製鋼所のチタン溶接管を用いていたと、これは同じ業界筋のひとから聞いた。わたしはマージ、コルナゴ、チネッリ、ポリアギ、ビチュー、アランとさまざまな自転車を乗り継いできたが、チタニウムのフレームのしなやかさには驚いた。カーボンフレームの欠損はよく聞くが、チタンフレームのそれは聞いたことがない。もっとも、しなやかすぎてプロには不向きだろうが。
 このところ、オークションで知り合った大阪の友人としばしば自転車談義をする。よく自転車をご存じの方で、明石のクサカサイクルをご存じだった。料理、陶芸、和紙、反物、製本、金魚、自転車なんでもよろしいが、わたしは職人と名のつく人が大好きで、自転車の組み立てを教わったのがクサカサイクルである。普段はニコニコと温厚な店主なのだが、専門のこととなると目の色が変わる。はじめてホイールを組んで持って行ったとき、センターが出ていないと大目玉を喰らった。怒りすぎたことに気付いて、最初はそんなものだと慰めもする。振れ取りが許されるのは0.1ミリまでで、横振れよりも縦振れがより大事である、自転車に使われるすべてのネジには相応に必要なトルクがあって、締めればよいというものではない等々、実に細かいことまでご教示いただいた。
 ちなみに、クサカサイクルはビバロで知られるピストの専門店で、集まるのは競輪選手ばかり、わたしのようなロード乗りは番外の客だった。2009年に不幸な事故があり、ビバロはNJS登録を抹消された。当時、21名のS1を含む597名の競輪選手がビバロに乗っていたが、その後クサカサイクルはどうなったろうか。


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2010年03月19日 02:15に投稿された記事のページです。

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