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限定本   一考   

 

 かつてNさんの限定本を企画した。挿絵はUさんにお願いした。NさんもUさんも亡くなり、企画はそれきりになった。先日、わたしの誕生日にPさんが現れ、あの本を造りたいと仰言る。問題はふたつ、ひとつは綴じ込み本をわたしは造る予定だった。版画は単品だと高いが本文に綴じ込むと挿絵となって安くなる。しかし、綴じ込みだと数物製本では間に合わない、例え数物であっても、少なくともルリュールの心得のある方の製本でなければならない。
 いまひとつは、Pさんが代金のことを口になさっていたが、あまり安く売ってUさんの他の画が値下がりするようでは困る。これは大きな留意点である。
 わたしの余命はいくばくもない。従ってPさんのような奇特の士が現れるのは嬉しい。企画を練り直してもらえないだろうか。


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