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気力   一考   

 

 病は身の惚けというが、生きることへの覇気が少しずつだが着実に衰えてきたように思う。病気のことだけしか考えられないようである。毒舌は相変わらずだし、人は生きている限りは元気である。ただ、生きてゆくためにはさまざまな手続きなり義務が必要である。それらが嫌になってきたのである。例えば引越だが、透析がはじまるまでに済まさなければならない。ところがいまのわたしに引越をするだけの体力が残されているのだろうかと思う。例えば日常の細かいことでも億劫に感じるようになった。これは疲れやすくなったことと睡眠時間が長くなったことが関係する。共に極度の貧血に起因する。
 面倒は起こしたくないなどと考える自分がそこら中にいて、暗澹たる気分になる。前項で書いた「自分自身とのあるいは社会との葛藤、いかに抗い、もつれ、対立したか」が生の証しであるにもかかわらず。
 病気なのだから必要に迫られて病院へは行く。そして血液検査は受ける。しかし、日々の生活のなかで蛋白が少ないとかカリウムが増えたとかで食べものを変えなければならない。日々下血に注意を払い、血圧と脈拍に留意し度々薬の量を変更しなければならない。それら面倒になにもかも絶ちきりたくなる。今は保存期なのだが、これで透析がはじまれば思いはさらに強くなるに違いない。
 不治の病といえば大層だが、癒る当てのない病気であるに違いない。今回は八単位の輸血だったが、それは阪神大震災と変わらない衝撃をわたしにもたらした。それだけでも、わたしにとっては消え行かねばならない心持ちで一杯になる。現世では飲まれなくなった酒も地獄でなら浴びるほど飲むことができる。山本さんや横須賀さん、種村さんや梅木さんとも。・・・というような泣き言を常日頃考えるようになった。


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2009年11月15日 18:06に投稿された記事のページです。

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