かし原のほんねりという羊羹を食べている。上部を鋏でぴっと切って絞り出す、棹というのも烏滸がましい一口羊羹である。その練り羊羹を掲示板へ書いたのを目にとめた伊藤敬さんがとらやの羊羹を担いで来店。かし原には申し訳ないが、こちらは真物の羊羹である。種村さんご推奨の「岡山の焼鳥」でもない、正真のとらやの羊羹である。とはいえ、わたしは差別はあまり好まない、よって越谷と赤坂の地域差を体現した羊羹とでもしておこうか。
伊藤さんがお持ちになった羊羹は五種全品材質が異なる、値も違うのか気になるところだが、などと書き出すとはなしはいじましくなってくる。ひょっとすると、否、間違いなく、わたしの一箇月分の食費より高価に違いない。大層な出費をさせてしまった。わたしの落書きを気に止めてくださった伊藤さんには感謝のしようもない。