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割下   一考   

 

 前項で「減塩醤油、減塩味噌、減塩マヨネーズ、減塩ソース、減塩だしの素等々がある」と書いた。しかし、大半は塩化ナトリウムを減らした分、塩化カリウムやマグネシウムを添加している。正確には低ナトリウム商品というべきで、さらによろしくない結果を身体にもたらす。低ナトリウムを必要とする病気があるのかと思って調べるも、そんな器用な病気は存在しない。カロリー半分やサプリメントと同じで、所詮は健常者のための食品に過ぎない。
 別に難しいものではないので、マヨネーズやドレッシング、出しの素ぐらいは自分で作ればよいのだが、醤油や味噌となるとさすがに面倒である。一方、透析患者のブログを読んでいると、薄味の方が素材の味がよく分かるといった、「負け惜しみ」と頻繁に出遇う。わたしの食事療法はまだはじまったばかり、私流負け惜しみに関してはおいおい書き込んでゆく。

 醤油は大きく別けて白、薄口、濃口、たまりの四種類があるが、たまりがもっとも消費されるのは東京である。饂飩や蕎麦の真っ黒な出汁にみられるように、関東ではたまりを色づけと甘味を出すために多用する。関西でたまりと云えば寿司に用いるぐらいであろうか。そしてナトリウムの含有量は前述の順に多い。要は色が薄いほど塩分濃度が上がるのである。減塩中濃ソースはできても減塩ウスターソースはできないのと理屈は同じである。
 素天堂さんから聞いたはなしだが、彼は濃口と酒と白出汁を同割りにしたものを食していたらしい。いわゆる割醤油だが、わたしが試みたのは濃口1、たまり0.25、味醂0.25、白出汁5の割醤油である。この場合の白出汁には昆布はつかわない、昆布にはカリウムが多いので、鯖節や鰹節を用いる。鰹出汁のコツはひとつ、プロが作る白出汁と素人のそれでは鰹節の量が十倍ほど異なる。要するに、想像を絶するくらい大量の鰹節を使えばよいのである。
 たとえ割醤油にしても使用量は減らさなければなんのための割りなのか分からなくなる。わたしはこの割醤油をさらに薄めて丼ものの割下として用いている。食事療法とはどこまで薄めたものに耐えられるか、その根比べに相違ない。

追記。
 山崎医師来店、食事療法による地域活性化をはかりたいとの壮大な計画を伺う。前述したごとく、わたしは新参者だが、余生が食事療法であることに異存はない。香辛料やスモークに関する知識を活かせそうな気もする。透析患者が食べられる懐石料理、饂飩やカツ丼があっても不思議ではない。最後ぐらいは人の役に立つことを考えてみようか。


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2009年08月18日 02:47に投稿された記事のページです。

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