CTスキャンはまだだが、腹部エコーの結果がでた。それによると右側の腎臓に結石が六つか七つほど一面に散らばっている。左の腎臓はほとんど機能していない。素人判断だが、体外衝撃波の手術にわたしは麻酔はおろか痛み止めもいらない。だとすれば右側の石割がうまくいけば、たとえ少しにせよ、機能が取り戻せるかもしれない。小便が出にくいにせよ、いくらかでも出ているということはまだわたしの腎臓も捨てたものではない。
新しい専門医は腹膜透析が可能ではないかと云ってくださる。それだと家での透析が可能になる。ことここに至っても、ひとは楽観的にものごとを捉える。さして執着しているわけではないのだが。
別の日付、異なる場所でのはなしだが、少年が車椅子をウイリーさせて疾走する。少女が松葉杖を器用に使って駈け回る。わたしはデルヴォーの画に出てくる目を剥いた老人のようである。もしくは若いころに愛読したシュオッブを想起する。(21日)