移動には車椅子を用いる、唯一の足である。溲瓶も用意されているが、わたしは這ってでも自分のことは自分で処理したい。今回かかわった三軒の病院の車椅子はことごとくが不調である。チューブの虫ゴムが期限切れなのである。従って、空気を入れても一日で洩れてしまう(四谷シモンさんの唄を思い出す)。空気圧の足らない車椅子(車椅子に限らないが)は乗りにくい。キーキー音が出て、うまく回転できない。また走行に余分な労力が必要になる。ハブにはゴロが出ている(要するにグリスが古くなっている)、しかもいずこの車椅子もホイールは24穴の四本組なのである。障害者が用いるものこそ、日頃のメンテナンスとより強度を増すための技術が必要でないだろうか。おそらく、新品で購入して不具合が生じれば買い換える、修理は端から念頭に置かれていないのであろう。こんなところにも街の自転車屋が活躍する場所はあるのだが。
足が治れば、山崎診療所の車椅子はわたしがしっかり修復する。(21日)