佐々木幹郎さんの「人形記 日本人の遠い夢」について書こうと思いつつ、このところ書かれないでいる。淡交社から定価2800円で上梓されている。大西成明さんの写真が多数刷入された美書であって、類書はない。なぜに類書がないかということをそのうち書こうと思う。取り敢えず、案内のみにて失礼する。
「ギイ・マルタンの芸術」がですぺらへ入ったが、料理もさることながら、書物自体が芸術品である。ル・グラン・ヴェフールのテーブルクロスが表装に用いられ、クリストフルのユニが添えられている。中扉にはそれぞれ六十三種類の型抜きが施され、かつての湯川本を髣髴させる。マルタンさんが齋藤芳弘さんの本づくりに魅入られた理由がよく分かる。幹郎さんにも覧ていただきたい書物である。その理由はここでは書かない。
久しぶりの話し合いで、誤解は氷解した。それにしてもわたしの頭のなかはヒロユキさんのことで一杯だった。彼には最低三年の修行を命じたが、その間にフランス語を学んでいただきたい。ル・グラン・ヴェフールで包丁を持たせるのがわたしの夢である。