先日、木村さんからオフィシャル・ボトルとの云い方はないが、オフィシャル・ボトリングならあるのではと教わった。もっとも使用例はほとんどなく、通常はプロプライエタリ(proprietary)・ボトリングではないかとも聞かされた。プロプライエタリ・ボトリングはワインの世界では広く用いられている。意はオーナーズ・ボトルである。
至近な例ではジム・ビーム・ブランド、バーン・スチュアート、ハイランド・ディスティラーズ、アライド・ディスティラーズ、ユナイテッド・ディスティラーズ等のボトルが充当する。前項で著したように花と動物シリーズやレア・モルト・セレクションはプロプライエタリ・ボトリングと云うことになる。一部はディスティラリー・ボトルと重なり、一部は重ならない。いずれにせよ、チョイスが多いのは良いことである。
クレッグホーンの例を持ち出すまでもなく、ディスティラリー・ボトルだけではモルト・ウィスキーの香味は分からない。ブレンダーに供するために蒸留所はさまざまなモルト・ウィスキーを造る。これがと思われるような香味を持つ酒もなかにはある。タムドゥーやプルトニーなどは典型であろうか。違いを違いとして楽しむ、もしくは蒸留所の全貌を知るためにもボトラーズ・ボトルとプロプライエタリ・ボトリングは必須である。