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哄笑に彩られたとびきり淡麗な辛口文学   一考   

 

 文学は学問である。従ってまず学ばなければならない。幼少期の乱読がこれに充当する。当然、思い込みが優先され、歪な鳥瞰図が引かれる。歪であればこそ、その正当性を巡って侃々諤々の議論が巻き起こる。文学青年の誕生である。しかし、そこで踏み止まらなければならないのは、読書は古典からはじまるという点である。現代文学へ至るには相応の時間が必要とされる。時として、生きているうちに現代文学へ辿り着かれない。そこで一部の若者は手続きを簡素化する。極端なはなしが流行りの現代文学から読み始める。もしくは触りを読むだけでレッテル張りに興ずる。古典は「早わかり世界文学」の類いで間に合わせるのである。そこまでゆけば半可通が跳梁するに、あと一歩である。
 吉行淳之介が昨今読まれなくなったと聞く。それは吉行に限ったはなしでない。花田清輝も石川淳も既に時代遅れなのである。時代に取り残されては自らの存在が危うくなる。吉行を読む暇があれば、「diaries」を繙いて今様のカルチャーを学ばねばならない。


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2008年06月05日 21:58に投稿された記事のページです。

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