キルケニーが先月の三十日から入荷している。美味だが、飲み方にちょっとしたコツがいる。大きめのグラスに全量をゆっくり注がないとフローティング・ウィジェットが活かされない。その点はギネスと同じである。もっとも、ギネスが造るビールなのだから当たり前である。酒屋での人気はいまいちだが、それは味に慣れていないからであって、生と比してなんら遜色はない。
ですぺらでは切らさずに置くつもりだが、聞くところによると、どこぞのスーパーと提携したのが理由で、一般業務店は六月二十日までは自由に入らないらしい。キルケニーがスーパーで売れるとは思わないが、営業の考えることは分からない。サッポロで一度ビールの講演をしたが、会社に都合のよい情報だけに限定された。あのような講演は真っ平御免である。