レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« キルホーマン | メイン | ボトラーとラベラー »

新入荷のボトル   一考   

 

 アードベッグ '90(ダグラス・マクギボン)
 プロヴァナンスの一本。バーボン・カスクの10年もの、43度。
 頗るユニークにして、かつ巧緻な味わいのアードベッグ。微かなバニラ香を持つミディアム・ボディ。口に含むと甘いフローラルな味わい。ただし、ラスト・ノートは正真のアードベッグ。ゴードン&マクファイル社の加水タイプと比してはるかにソルティー、長く続 くフィニッシュは申し分なし。
 フローラルな味わいの理由はポート・エレンのモルトを使用したこと。かかるボトルがコレクターズ・アイテムになるのなら異議はない。

 アードベッグ・スティルヤング '98※
 ディスティラリー・ボトルの8年もの、56.2度のカスク・ストレングス。
 04年発売のベリー・ヤングに続いて06年に発売。同じ蒸留年のウィスキー熟成の過程を愉しむとのコンセプトでボトリング。本品についで08年にオールモストゼアが発売された。他にコミッティー・ヴァージョンやウィスキー・フェア用に異なるヴィンテージのものがボトリングされている。

 アードベッグ・オールモスト・ゼア '98※
 ディスティラリー・ボトルの9年もの、54.1度のカスク・ストレングス。
 04年発売のベリー・ヤング、06年発売のスティルヤングに続いて08年に頒された。同じ蒸留年のウィスキー熟成の過程を愉しむとのコンセプトでボトリング。本品が最終のボトルである。しかし、前二者とは異なって噛み応えと香味に深みあり、一年の差とは思われない。

 ボウモア・カスク・ストレングス※
 ディスティラリー・ボトル、56.0度のカスク・ストレングス。
 本品はなくなるまでの特価販売です。

 スプリングバンク・ブラック・ファウンダーズ16年
 08年4月発売のロッホデール社のサード・リリース。46度のミディアムボディ。
 前回のブルー・ファウンダーズから5年、これまでは、ビンテージ、熟成年の記載がなかったが、今回はより熟成を経た16年ものとしてボトリング。
 芳醇で甘く滑らかな味わい、フルーツ香とクリーミーなココナッツ、かすかなスモーキー・フレーバーガ織りなすクラシカルなスプリングバンク。美味。

 グレンキース '85(モンゴメリーズ)
 シングル・カスク・コレクションの一本。17年もの、43度。
 モンゴメリーズ社のグレンキースはオフィシャル・ボトルと比してべっこう飴の芳ばしさに少し欠ける。これはボトラーのグレンキースに共通して言えることで、シェリー香がより弱く、やや辛口に振られている。ちょうど、ゴードン&マクファイル社のマクファイルとオフィシャルのマッカランの関係に似ている。私はボトラーの方が好きなのだが。
 モンゴメリーズ社はマキロップ社と共にアンガス・ダンディ社の傘下。なお、マルコム・プライド社はアンガス・ダンディ社と同資本のカンパニー。なにを言いたいかというと、玉石混交だということ。でも、グレンキースは2001年にペルノリカール社によって買収されたものの、2000年から休止状態が続き、どうやら取り壊されるもよう。ボトラーへの出荷が極端に少ないので、流通在庫はローズバンクよりはるかに少ない。飲むなら今のうち。

 ストラスアイラ '91(ダグラス・マクギボン)
 プロヴァナンスの一本。10年もの、60.2度のカスク・ストレングス。
 ダグラス・マクギボン社は1949年、グラスゴーで組織された瓶詰業者。蒸留所の作業に携わった職人の末裔による同族会社にして、ダグラス・レイン社とは兄弟会社。広大な熟成庫を持ち、60年代以降、色付けとチル・フィルターを拒み、「プロヴァナンス」の名のもとにコレクションを頒布。特にアイラ島の蒸留所とは太いパイプを持つ。「クライズデール」同様、熟成年数の若いモルトが中心だが、共に品質のよさでは一頭地を抜く。
 本品は記載はないものの、リフィール・シェリーと思われる。ストラスアイラは多くのカスク・ストレングスがボトリングされているが、本品は他と比してまろやかさで卓れる。

 ストラスアイラ '89(クライズデール)
 9年もの、63.3度のカスク・ストレングス。290本のリミテッド・エディション。
 ザ・クライズデール・オリジナル・スコッチ・ウィスキー社は熟成5年から10年の比較的若いカスク・ストレングスをシングル・カスクにて瓶詰め。他のボトラーとの差別化を図る。低温濾過、加水、着色を一切行わず、モルト・ウィスキーの素地を知るには最適。ダグラス・マクギボン社の「プロヴァナンス」と共に一押しのコレクションである。総称の「クライズデール」とはグラスゴー近郊にかつて存在した蒸留所名。昨年、ボトルをリニューアルした。ブラッカダーのジョン・レイモンドが選んだ樽からボトリング。ブラッカダーのセカンド・ラベル的存在。

 ストラスアイラ '89(アバディーン)
 オーク・カスクの13年もの、62.5度のカスク・ストレングス。シングル・カスク。
 アバディーン・ディスティラーズ社は1993年頃、スコットランド北東部のアバディーンで設立。ヨーロッパ市場向けのボトリングだが、過去一度、スリーリバーズによって極少量が日本へも入荷している。本品はその一本。


←次の記事
「ボトラーとラベラー」 
前の記事→
 「キルホーマン」

ですぺら掲示板2.0トップページへ戻る

このページについて...

2008年05月16日 22:14に投稿された記事のページです。

次の記事←
ボトラーとラベラー

前の記事→
キルホーマン

他にも
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34