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書庫   一考   

 

 ぼんぼりのような菊の花と書いたが、生身の花が一日わが家に咲き誇った。すなわち妙齢のご婦人たちがちはらさんを訪ねて見えられたのである。私が同席したのはは三十分足らず、爺が相手では弾むはなしも萎びてしまう。ちはらさんから聴いたはなしだが、一時間ほど書庫に籠っていた女性は宇野浩二が揃っているのに感心なさったらしい。宇野浩二ならあらかた揃っていると思うが、今様の若い女性が興味を抱くとは思わなかった。いつの世にあっても、殊勝な方はいらっしゃる。
 二十歳位の頃、「枯木のある風景」や「思ひ川」は幾度となく読み返した。宇野浩二については場を改めるが、件の女性が読むのであれば、書庫はいつでも開放する。爺には宝の持ち腐れであって、若いひとの斬新な意見を伺いたいと思う。拙宅の蔵書もいつまでもはない、漸次処分している。近松秋江も「別れたる妻に送る手紙」「黒髪」をはじめ、東山安井の銭湯の思い出共々売り払った。役に立てるなら今のうちだと心している。


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2008年03月25日 22:18に投稿された記事のページです。

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