白州・ヘヴィリーピーテッド・モルト '93(サントリー)
ウッドタイプはホワイト・オーク、カスクタイプはホグスヘッド。14年もの、58.0度のカスク・ストレングス。232本のリミテッド・エディション。樽違いあり。
白州・シェリーモルト '93(サントリー)
ウッドタイプはスパニッシュ・オーク、カスクタイプはボタ・コルタ。14年もの、60.0度のカスク・ストレングス。571本のリミテッド・エディション。
一月三十日に紹介したTHE CASK of HAKUSHUが二種入荷した。山崎ほどの意外性はなく、やはり白州だと思わせる品のよさを持つ。ボタ・コルタはバット樽と容量は同じだが寸が短い、逆に直径が大きいのである。従ってウィスキーとカスクの触れ合う面積が小さい。それだけ熟成がゆっくりなされる。十四年にしてはシェリー特有の渋味が少ない。
ホワイト・オークとスパニッシュ・オーク、共に極めてドライ、なんの抵抗もなく、喉の奥にストンと落ちてゆく。この透明感は日本のウィスキーに総じて言えることであって、間違いなく水のせいだと思う。
店で用いている水はサレルノのヴィトロガッティである。これに限らず、欧州の微発泡水はグルタミン酸やイノシン酸の味がする。私は秘かに昆布水と名付けている。それと比して日本の水は極めてクリアー、雑味がまったくない。ちなみに、ヴィトロガッティで茶漬けをつくると不味い。硬水と軟水の違いを越えて、味の素を入れすぎたような味になるのである。
近頃はミネラル・ウォーターやナチュラル・ウォーターについて囂しいが、日本の水を輸出してはどうだろうか。喝采をもって迎え入れられると思うのは私だけだろうか。