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12月20日の「新規ボトル」の追加   一考   

 

ザ・カスク・オブ・ヤマザキ '93(サントリー)
  14年もの、62.0度のカスク・ストレングス。539本のリミテッド・エディション。
  スコットランドのアイラのモルトスターの麦芽を用いる。サントリー初のヘヴィリー・ピーテッド・モルト。熟成はパンチョン樽。カスク由来の甘味とスモーキーな香り、のびやかなフィニッシュ。
  同時発売にシェリー・バット熟成のものがある。追って08年3月、白州のヘヴィリー・ピーテッドとボタコルタ熟成の二種がボトリングされる。

アードベッグ '90(ダグラス・マクギボン)
  プロヴァナンスの一本。バーボン・カスクの10年もの、43度。
  頗るユニークにして、かつ巧緻な味わいのアードベッグ。微かなバニラ香を持つミディアム・ボディ。口に含むと甘いフローラルな味わい。ただし、ラスト・ノートは正真のアードベッグ。ゴードン&マクファイル社の加水タイプと比してはるかにソルティー、長く続 くフィニッシュは申し分なし。

アードベッグ・スティルヤング '98
  ディスティラリー・ボトルの8年もの、56.2度のカスク・ストレングス。
  04年発売のベリー・ヤングに続いて06年に発売。同じ蒸留年のウィスキー熟成の過程を愉しむとのコンセプトでボトリング。本品についで07年にオールモストゼアが発売された。他にコミッティー・ヴァージョンやウィスキー・フェア用に異なるヴィンテージのものがボトリングされている。

キルブライト '99(エイコーン)
  バーボン・ウッドの4年もの、60.0度のカスク・ストレングス。中味はラフロイグ。
  エイコーンの水源地シリーズ第三弾。シリーズ中、最も若いラフロイグ。クライズデールのボトルを想い起こさせる猛々しさ。店主好みの薬品臭。ちなみに、ザ・リヴァー・ラーガンの中味はボウモア。

カリラ '95(ユナイテッド・ディスティラーズ)
  ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。モスカテル・シェリー・フィニッシュの12年もの、43度。
  販売は07年から。ミディアム・ボディながら、カリラ特有のかがり火のようなスモーキーさが重量感を持つ。モスカテル・シェリー樽の痕跡は抑えられ、全体に辛口に振られている。ピート、薬草、熟したフルーツの香りを伴う。シナモンを思わせるスパイシーなフィニッシュ。バランスの良さはディアジオ社のお家芸、美味。

ブレッヒン '02
  46度のディスティラリー・ボトル。
  バーガンディー・カスクの4年もの46度。900本のリミテッド・エディション。エドラダワー蒸留所のセカンドラベル。
  ブルゴーニュはコートドールのバリックと呼ばれるオーク樽由来の複雑な香味。パヒューム香の替わりにゴムの臭い、フェノール値が高く薬品臭が強い。ボディは厚く、ココアパウダーもしくは胡瓜のへたのような苦みが感じられる。馴れるのに時間がかかるモルト・ウィスキー。

オスロスク '95(ダグラス・マクギボン)
  プロヴァナンスの一本。5年もの、62.3度のカスク・ストレングス。
  ボトラーズではキングスバリー社、クライズデール社、ケイデンヘッド社、ゴードン&マクファイル社、シグナトリー社、ダグラス・マクギボン社、ダグラス・レイン社、ドナート社、ブラックアダー社、マーレー・マクデヴィッド社、イアン・マクロード社等々、多彩なボトルが頒されている。

クラガンモア・カスクストレングス '93
  ボデガ・ユーロピアン・オークの10年もの、60.1度のカスク・ストレングスにしてディスティラリー・ボトル。15000本のリミテッド・エディション。
  熟成年とアルコール度数を感じさせない柔らかさを持つ。コーヒーやビターチョコレート、グレインや皮、マディラ酒などの香り。加水すると、スモーキーさからウッディな芳香へ、さらにナッツ系の香りへと変化してゆく。ハーブやスパイス(月桂樹・胡椒の実・ナツメグ等)のキャラクターを内包。さまざまな暗示があり、名状し難い複雑な味わいを呈している。

クラガンモア・カスクストレングス '88
  リフィール・アメリカンオーク・ホグスヘッドの17年もの、55.5度のディスティラリー・ボトル。5970本のリミテッド・エディション。
  10年ものより、色は淡く、香味は確実に複雑。スティルの独特な形状により、蒸気中の不純物がローワインに戻され再凝縮する「リフラックス」のよさを最大限に活かす。つねに芳香が変化する様はバルヴィニーのシングル・カスクと双璧。表現力豊かなクラガンモア。

グレンロッシー '78(ヴィンテージ・モルト)
  クーパーズ・チョイスの一本。オーク・カスクの22年もの、43度のシングル・カスク。
  ヴィンテージ・モルト社は1992年、ブライアン・クルックによってグラスゴーのバーズデンで創業。ヴァテッド・モルトの「フィンラガン」をボトリング。シングル・モルトではクーパーズ・チョイスの名でコレクションを頒している。マキロップ・チョイスやバレル・セレクション同様、やはり購入の際には選択が必要。クーパーズとは樽職人の意。2001年5月にラベルが一新された。
  イアン・マクロード社同様、ラガヴーリンを多く所有。スコッチ・モルト・セールスへ卸すほか、ウィックのアイラ・ストームの樽元でもある。

オーバン '92(ユナイテッド・ディスティラーズ)
  ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。モンティラフィノ・シェリー・フィニッシュの15年もの、43度。
  販売は80年蒸留から、最新ボトルは92年の蒸留。フルボディ。ソルティーさは控えめに、繊細でリッチなフルーツの香りの波が押し寄せる。搾りたてのフレッシュ・ジュース、グレープフルーツやオレンジの味わい。かつてのオーバンとは隔たり、新しい香味を試みたかの感がする。噛み応えのある香ばしいカラメルモルト。フィニッシュは長くはないが、甘味のあるビスケットの後味。

クライヌリッシュ '91(ユナイテッド・ディスティラーズ)
  ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。ダーク・オロロソ・セコシェリー・フィニッシュの15年もの、60.1度度。
  販売は07年から。まず香るのはレーズン、さらに言えばラムレーズン。オレンジピール、胡桃、ドライチェリー、干し葡萄、アプリコット等香りと共に、ブラック・チョコレートといったやや刺激性の香りも。ヘーゼルナッツやマカダミアナッツが内包する粘りのある舌触り、油性の質感のなかにソルティーな味わい。ダブル・マチュアードによって、軽くフローラルなスタイルに木ノ実の豊かさがうまく加味される。フィニッシュは短いが、ナッティーなほろ苦さが強調されている。

ロイヤル・ロッホナガー '98(ジャン・ボワイエ)
   ベスト・カスク・オブ・スコットランドの一本。シェリーカスクの8年もの、43度。
  ジャン・ボワイエ社はフランスのみならずヨーロッパでも最大級のボトラー。設立は1993年だが、1975年にスコットランドからの輸入をはじめ、1985年にはフランス国内屈指の輸入卸業者に成長、スプリングバンクやボウモアなどの正規代理店になる。現在では数種類のレンジ(ラベル)で総計50種類以上に及ぶ多彩なモルトの品揃えを誇る。それにしても、ボトラーズのロイヤル・ロッホナガーはめずらしい。

ロイヤル・ロッホナガー・セレクテッド・リザーヴ
  43度のディスティラリー・ボトル。
  年数表示のないプレミアム・エディション。50%がファーストフィルのシェリー樽にて熟成。ただし、熟成に必要な樽の確保が困難になり、現在ではボトリングされていない。熟成年数の表示が無いのは、選ばれた複数の樽から造られており、ボトリング毎に熟成年数が異なるからである。
  シェリー樽由来の芳醇な香り、ファーストフィルを半分に限ったところから苦みは一切ない。香りはリッチで、バニラ香、ナッツ香、ミント香が強くクリーミー。フィニッシュは長く、僅かにスパイシーで非常になめらか。

リンリスゴー '82(マキロップ)
  マキロップ・チョイスの一本にして17年もの、61.2度のカスク・ストレングス。シングル・カスク。
  マキロップ社はグラスゴーのインデペンデント・ボトラーにして、中味はセント・マグデラン。ちなみに、リンリスゴーとは蒸留所が在した町の名。
  今の内にトライすべきミディアムボディ。充実したボディはバランスがよく、アルコール度数を感じさせない柔軟さを持つ。


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2008年02月25日 23:07に投稿された記事のページです。

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