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モルト会解説   一考   

 

 明日のですぺらモルト会の解説は簡単に済ませました。ディスティラリー・ボトルが多いので取り立てて書くこともないのです。ディアジオ社のカタログから適宜盗作させていただきました。それ故、こちらへ掲げておきます。

01 オーバン'92(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。モンティラフィノ・シェリー・フィニッシュの43度。
 販売は80年蒸留から、最新ボトルは92年の蒸留。フルーティーで刺激に満ちたフルボディの逸品。アードベッグを想起させる塩辛さにフレッシュなグレープやオレンジジュースの味わいが加味されている。噛み応えのあるカラメルモルト。通常のオーバンにはない繊細でリッチなフルーツの香りの波が押し寄せる。フィニッシュは長くはないが、複雑さにおいて他を凌駕する。

02 カリラ'95(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。モスカテル・シェリー・フィニッシュの43度。
 販売は07年末から。ミディアム・ボディながら、カリラ特有のかがり火のようなスモーキーさが重量感を持つ。モスカテル・シェリー樽の痕跡は抑えられ、全体的に辛口。ピート、薬草、熟したフルーツの香りを伴う。シナモンを思わせるスパイシーなフィニッシュ。バランスの良さはディアジオ社のお家芸。

03 クライヌリッシュ'91(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。ダーク・オロロソ・セコシェリー・フィニッシュの46度。
 販売は07年末から。まず香るのはレーズン、さらに言えばラムレーズン。オレンジピール、胡桃、ドライチェリー、干し葡萄、アプリコット等の香りと共に、ブラック・チョコレートといったやや刺激性の香りも。ヘーゼルナッツやマカダミアナッツが内包する粘りのある舌触り、油性の質感のなかにソルティーな味わい。ダブル・マチュアードによって、軽くフローラルなスタイルに木ノ実の豊かさがうまく加味されている。フィニッシュは短いが、ナッティーなほろ苦さが強調されている。

04 クラガンモア・ポート'88(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。ポート・フィニッシュの40度。
 販売は84年蒸留から、最新ボトルは93年の蒸留。ライトの筈がダブル・マチュアードによってミディアム・ボディに変化させられている。樽香が強く、初手の甘さがバナナ、バニラ、ココアへと一気に走り抜ける。スモーキななかに、甘く強いフルーティーフレグラス。昨年販売されたカスク・ストレングスにも似て、食欲をそそるアロマを持つ。フィニッシュは長く、そしてドライ。

05 タリスカー'91(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。 アモロソ・シェリー・フィニッシュの45.8度。
 販売は86年蒸留から、最新ボトルは93年の蒸留。ビターとスウィートのハーモニーはほぼ完璧に近く、ダブル・マチュアード・シリーズのなかでは最高峰に位置する。シェリーの樽香が胡椒の風味を抑え、干し葡萄の甘さを際立たせる。深いココアの香り、オイリーな甘味、並外れた清々しさ、焦点が美事に絞り込まれている。樽香が常に鋭さを保ち、初手からフィニッシュに至るまで甘さとドライさとのバランスを守る。

06 ダルウィニー・オロロソ'81(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。 オロロソ・シェリー・フィニッシュの43度。
 販売は81年蒸留から、最新ボトルは90年の蒸留。月並なモルティーさをフレッシュ・シェリーのアロマが見事に覆い隠している。思った以上にスパイシーな香味を持つ。カスク由来のヴァニラ香と非常にドライなフィニッシュ。結構、存在感がある。

07 ラガヴーリン・ペドロヒメネス'79(UDV)
 ザ・ディスティラーズ・エディションの一本。 シェリー・フィニッシュの43度。
 販売は79年蒸留から、最新ボトルは91年の蒸留。シェリー・ウッドがメロウ(まろやか)な味わいをすこぶる強調する。言い換えれば、ヴァニラやレーズンの甘味がモルトの持つ薫香を穏やかなものに変化させている。複雑で歯応えのあるピート香だが、珈琲のような後を引く濃厚さにいささかの疑問も。

08 タムドゥー'85(イアン・マクロード)
 チーフテンズの一本。ラム・フィニッシュの16年もの、46度。2樽618本のリミテッド・エディション。
 フェイマス・グラウス、カティサークの中核をなすモルト。飽きのこない飲みやすい食後酒として仏蘭西、伊太利亜、西班牙でよく飲まれている。際立った個性はないが、ラム・フィニッシュによって思わぬ効果をもたらしている。同様のモルトにカリラのラム・フィニッシュがある。

09 リンクウッド'90(イアン・マクロード)
 チーフテンズの一本。クラレット・フィニッシュの12年もの、43度。2樽858本のリミテッド・エディション。
 まろやかで飲みやすいボディと花のような香り、適度のこくとスムースなフィニッシュ。昔から「入手できる最上のモルトのひとつ」と讃えられている。
 新春の原生花園に降り立ったようなフローラルな香り、マンザナベルデに似た青林檎のアロマ。シェリーとは異なるクラレット特有のほのかな甘さ、京都の麩饅頭のような苦み、はんなりとした舌触りはボウモア・ダスクと似ている。

10 グレンタレット'90(イアン・マクロード)
 チーフテンズの一本。ポート・フィニッシュの11年もの、43度。1236本のリミテッド・エディション。
 創業は1775年、一時閉鎖されていたが、1959年に再開。リトルミル(1772)、ボウモア(1779)、グレンギリー(1785)、ストラスアイラ(1786)等と共にスコットランド最古の蒸留所。小さな蒸留所で大半をシングル・モルトとして出荷、ユニークなラインナップを揃えている。ポット・スティルは二基でサイズも小さく、常に高品質のモルトを生産している。全体に印象の薄いウィスキーだが、本品はカスク由来の完熟フルーツの香りが顕著。


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2008年02月22日 13:44に投稿された記事のページです。

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