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モルト・ウィスキーと肴   一考   

 

 山葵と酢の物はワインに合わないと思っている。山葵菜と山葵大根は別で、私が言っているのは下ろした山葵である。酢の物は土佐酢に限られる、牡蠣酢のような二杯酢は合わない。ワインは食中に飲むものなのだが、刺激の強いものは合わない。とりわけ酢はダメで、ヴィンテージがさっぱり判らなくなる。従って、鮨屋でのワインは鬼門である。同じ醸造酒なのだが、日本酒との違いがここにある。理由は過去に書いたので繰り返さない。
 天ぷらが白ワインと相性がよい。その理由は天つゆの甘さにある。鱧や白鱚の天ぷらなどは最高、こちらは日本酒も同様である。此の伝だと羊羹も合うかもしれない。もともと羊羹は酒の肴として開発された。
 店を営んでいると、モルト・ウィスキーに合う肴をとよく訊ねられる。しかし、ウィスキーは食事をしながら飲む酒ではない。グレンアラヒ、グレンダラン、グレン・マレイ、フェッターケアンなどの食前酒を除き、ほとんどのモルト・ウィスキーは食後酒である。とりわけ、ハイランド・パーク、ラガヴーリン、アベラワー、インチガワー、クレイゲラヒ、グレンファークラス、ベンリネス、マッカランなどはその典型だろう。
 わが邦特有の水割りという飲み方ならともかく、カスク・ストレングスに相応しい食い物などあるわけがない。ですぺらの強烈なスモークは最初からあったのではない、アードベッグとラフロイグを傍らに試行錯誤を重ねるなかから生れた。既存の食品ではおそらく鮭トバ、それも宇登呂のものだけと私は思う。
 インポーターが試飲会でバゲットを薄く切って供している。あれとミネラル・ウォーターは必須と心得る。これはワインも同じである。口を変えるにあれほど便利なものはあるまい。やはりパンとチーズとスモークかしらん。


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2007年12月15日 19:15に投稿された記事のページです。

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