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ひがれい   一考   

 

 工事で出掛けていたため一日遅れで黒い猫くん到着、ありがとうございました。猫は世間知らずのおおふくべでよろしいのですよ。もっとも私はそれが理由で猫は好きじゃないのですが。
 「タコヤキ屋三十軒」で書いた中村商店の住所を隆さんから教えていただいた。念のために検索すると以下に載っていた。
http://www.qlep.com/search/cont_detail.php?cont_cd=389&news_cd=0&news_no=19

 ところで、1.8キロのじん粉の他さまざまなものが詰められていたが、中にささかれいが入っていた。一夜干しでなく完干しのかれいで、出刃包丁の背で叩いて軽く炙り、毟りながら三杯酢で頂戴する。一夜干しは干しがれい、完干しは干(ひ)がれいが関西では一般的な呼称である。富山出身の田中冬ニが著した干がれいは一夜干しである。松山や広島では干(ひ)がれいの異なる呼び名があった筈だが思い出せない。後日、津原さんに訊くとしよう。
 かれいの種類は多く、西明石でも十種類ほどを置いた記憶がある。おいらんがれい、ばばがれい、そうはちがれい、まがれい(くちぼそ)、まこがれい、あかがれい、くろがれい、すながれい、あぶらがれい、いしがれい(いしもち)、あさばがれい、めいたがれい、あまてがれい等々である。
 隆さんが同封なさったささかれいが気になったので、干しがれい、干(ひ)がれい、このはがれい、ささのはがれい。あしのはがれい、やなぎむしがれい(やなぎがれい)等々を辞書で引いてみたが判然としない。魚の名は専門の辞書でなければ手に負えないようである。
 干がれいを書くのは、東京ではあまり見掛けないからである。国語辞書の編輯を手掛ける会社はすべて東京、しかも辞書編輯者で上方出身のひとは過去二人しか会ったことがない。それでは語彙が偏るのは仕方がない。ちなみに干がれいは、私が十代二十代の頃は居酒屋の常備品だった。ところが、手持ちの辞書にひがれいの項目はない。陽に透かすと浮き彫りされる骨格に文学のコモン・センスを感じていた私こそがあおびょうたんであり変わり者だったのかもしれない。


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2007年09月19日 02:18に投稿された記事のページです。

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