レイアウトが崩れる方・右メニューが表示されない方: >>シンプル・レイアウトへ

« 矢野目源一「揺籃」 | メイン | 鍋を運ぶ黒い猫 »

鍋   一考   

 

 隆さんから電話があった。隆とは愚息である。今度音大へ入りたいとかで、のんちさんを思い起こした。掲示板へ掲げられた白髪の私を見て驚いたようだが、その分彼が大きく育ったということになる。
 電話の内容は明石焼きの鍋。彼の許に銅板手打ちの鍋が一台あるのは分かっていたが、それを寄こせとは流石に言えなかった。てっきり、日頃用いているものと思いこんでいたのである。しかし、明石の住人ならば、自宅で作るより専門店へ出掛ける方が安くて手っ取り早い。使っていないので送ろうかとのありがたい申し出だった。
 明石焼きに関しては掲示板で詳述したので繰り返さない。ただ、隆さんからじん粉はどうするのかと訊かれた。彼は品川生まれで神楽坂の育ちである。にもかかわらず、じん粉への知識を持っている。長い明石生活がもたらしたものと思う。魚の棚にある粉屋の一軒を説明し、仕入れへのご協力を願い出た。
 さて、ここまでくれば明石焼きを置かないわけにはいかない。ガス台の配置を考えなければならなくなった。

 ですぺらだが、大工の手当がつかず、九月開店は見送りのようである。詳細は書きたくもないが、この数箇月の推移を顧みて忸怩たらざるを得ない。閉店に際し手にした金数も底をつき、愈ますます途方を失いつつある。


←次の記事
「鍋を運ぶ黒い猫」 
前の記事→
 「矢野目源一「揺籃」」

ですぺら掲示板2.0トップページへ戻る

このページについて...

2007年09月16日 13:27に投稿された記事のページです。

次の記事←
鍋を運ぶ黒い猫

前の記事→
矢野目源一「揺籃」

他にも
  • メインページ
  • アーカイブページ

  • も見てください。

    アーカイブ

    ケータイで見るなら...


    Google
    別ウィンドウ(orタブ)開きます。

    牛込櫻会館(掲示板1.0他)内
    ですぺらHP(掲示板2.0他)内
    Powered by
    Movable Type 3.34