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呑ん兵衛戯言   一考   

 

 フォーティファイド・ワインは量は飲まれない。ワインのフルボトルを軽く二本あけるひとでも、フォーティファイド・ワインのハーフボトルは持て余す。おいしくいただけるのは最初の一杯で、二杯目で口腔にもたつきが生じ、三杯目でうんざりし、四杯目で悪酔いへの急勾配となる。問題は次の日に酒が残ることでなく、飲み出して四、五時間経たころがもっとも酔いがまわる点にある。従って、フォーティファイド・ワインの飲み会はフルボトル一本で最低五人の左党が必要になる。二本で十人の計算である。それを口実にずっと見送ってき、そして今回も見送ることにした。私の身体の疲れも理由のひとつである。
 楽しみになさっていた松本さんに申し訳なく思う。そのかわり、新店のプレオープンで催そうと思っている。店が小さいため、オープニングは取り止めにする。そして、プレオープンの期間を長く取るつもりでいる。その期間を飲み会に利用しようと思うのである。

 さて、戯言と題した以上、なんらかのたわむれが必要である。私のことゆえ、いささかの悪意に色彩られた餅酒となる。
 およそ知られる世界の酒は飲んできた、そして酒ごとに酔いは異なる。言い換えれば、酒にはそれだけ寒く潤沢を帯びた個性がある。百人のひとがいれば百通りの愛があり、百通りの個性がある、否、そうあってほしいと願っている。ひとであれ、典籍であれ、酒であれ、消息を一にする。私がチョイスの大切さを説き、好き嫌いの排除を薦めてきた理由はそこにある。好き嫌いの排除とは取りも直さず「私」の排除であり、虚心に臨むさまを指す。先入観や偏見をもたずに日々を過ごさなければ新たな出遇いはない。変化に即応する柔軟さと好奇心、それこそが艶かしいまでの個性でないだろうか。


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2007年06月16日 05:44に投稿された記事のページです。

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