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川は流れる   一考   

 

 プヒプヒさんのところの書き込みで下戸が裏の川を流れてゆくというのがあって大笑い。それはいいとして、ですぺら近辺のどこに川があったっけでは洒落にもなんにもなりはしない。飯田には天竜川とその支流の松川がある。しかし、すべての河水が遠州灘へ流れ込んでいるのではない。とは申せ、往時の藩主堀親長や黒須楠右衛門もしくは高遠藩の「理兵衛堤防」のことをここで書く気はない。ただ、高遠頼継のご落胤とされる高遠さんの夢記を信じれば、「惣兵衛川除」によって伏流水が生れたそうである。
 渋谷の東急百貨店東横店の真下を通っている宇田川暗渠はよく知られている。それが災いして東急東横店の地下は半分しかない。TBSが株の買い占めでもめたのは最近のはなしだが、あの買い占めが失敗したのは一ツ木通りの裏通り、すなわちみすじ通りに設けられた暗渠であった。古老すら誰も知らない地下の川の存在がささやかれ、建築上の地盤の確認に手間取ったのである。
 覗いたわけではないが、店の裏の地下深くを川が流れ、明暦の古地図によるとため池へそして外堀へと注ぎ込んでいたのである。赤坂を流れる河水が天竜川の伏流水だというような奇想を述べるつもりはない。しかし伝え聞くところによると、ため池のメダカと天竜川のそれとのDNAが合致したらしい。現今の科学の進歩には愕かされる。
 裏の川を流れるのは下戸や新仮名ばかりとは限らない、篤胤によって等閑視され脇腹の子として偶われてきた新仮名の怨念、そのうらみが溶け込んだ書物の毒、その毒を呷った読書家の悪意等々、さまざまなものが漂い、浮き沈みしているのである。


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2007年03月30日 22:36に投稿された記事のページです。

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