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キルホーマンとノックドゥー   一考   

 

 客がキッコーマンがウイスキーを造っていると。スペルはKILCHOMAN、キルホーマンと称し、2005年に創立したアイラ島8番目の蒸留所である。現在はアイラ産の麦を自らフロアモルティングした麦芽とポートエレンの麦芽と二種類の麦芽が原料に使われている。ピートもアイラ産でフェノール値は50ppmと非常にピーティ。麦の栽培からボトリングまでのすべての工程を自社で行う。
 店へ持ち込んだのは2006年蒸溜、2009年ボトリング、バーボンカスクの61.5度。For Whisky Magazine Live! の記念ボトルである。アイラ島の期待の新星、キルホーマンの貴重な初のシングルカスクの商品で、尚且つウイスキーマガジンライブの記念ボトル、会場だけでの頒布ということもあって人気をあつめ、かなり入手困難なボトルとなってしまった。
 蒸溜初年からニュースピリットとしてボトリングされてきたが、3年を経なければウイスキーとは名乗られない。2009年になってやっとウイスキーの仲間入りを果たした。同年発売は46度の加水タイプとウイスキーマガジンライブの記念ボトルを追って発売されたカスクストレングスの3種。加水の方は僅かな苦みが気になる、ひょっとすると加水のあとの後熟を急ぎすぎたのかもしれない。色は非常に薄く、香りは、まず最初に若いアルコール感がきて、すぐさまタラバガニを焼いたような焦げ臭い煙と薬品臭が支配的になる。いずれにせよ、アイラ島西端にオプティック種を用いた素晴らしい蒸留所が増えたのは嬉しい。

 今1本はカーンモア/ ストリクトリーリミテッドのノックドゥー6年もの。2009年蒸溜、2016年ボトリング、ホグスヘッド2樽、797本のリミテッドエディション、46度の加水タイプ。
 ストリクトリーリミテッドシリーズは46度加水タイプシリーズで、他にブレイズ・オブ・ グレンリベット(ブレイヴァル) 1989年蒸溜(ゴードン&マクファイルのボトルと中身は同じ)、46度の25年もの、ダルユーイン1997年蒸溜、46度の17年もの、 ロイヤル ブラックラ2001年蒸溜、46度の13年ものなどがある。蒸溜所の個性がはっきりと表れた樽を選んでボトリング。昨今、カスク由来の厚化粧のウイスキー(例えばマッカラン)が横行する中にあって貴重なボトラーである。
 モリソン&マッカイは、元モリソン・ボウモア取締役のブライアン・モリソンとキーパー・オブ・ザ・クエイクを受賞しているケニー・マッカイがスコットランドのパースシャーで創業したインディペンデントボトラー。また、現在パースシャーで新たな蒸溜所建設が進行中。余談ながら、2009年にボトリングされた19年ものグレンキース、52.3度のカスクストレングスは傑作だった。
 肝心のノックドゥーだが、オフィシャルボトルのアンノックとは香味が異なる。アンノックは麦の香味を生かした、云ってしまえば詰まらないウイスキーだが、ノックドゥー名義の方はキリリと引き締まり、シェリー香も豊かですこぶる美味。蒸留所から19年もの、21年もの、23年ものの3種のカスクストレングスが頒され、ボトラーズはアデルフィ、ケイデンヘッドからカスクストレングスがゴードン&マクファイル、ダグラス・マクギボンからは加水タイプがボトリングされている。


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2017年06月19日 20:37に投稿された記事のページです。

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