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ブナハーブン・ヘビリーピーテッドについて   一考   

 

 隣の細川スナックのママのお気に入りがマクファイルズ・コレクションのブナハーブン・ヘビリーピーテッドである。8年との記載以外なにもないが、97年蒸溜、2005年ボトリング、リフィルシェリーバットの8年もの、43度の加水タイプである。シェリーバットの容量は477リットル、1樽で600本以上取られると思うが樽数の記載すらない、過去の例から推して2樽ではないかと思う。
 アイラの蒸留所でノンピートだったブルイックラディ蒸留所に先駆けてブナハーブン蒸留所は97年にポート・エレンのモルト(38ppm)を使用してヘビリー・ピーテッドを蒸溜。最初はドイツのスコッチ・シングルモルト・サークルから97年蒸留、8年もの、57.8度のボトルが頒布された。次いで、シグナトリーからカスク・ストレングス・コレクションの一本としてリフィール・シェリー・バットの9年もの、59.1度、585本のリミテッド・エディションが、同じくカスク・ストレングス・コレクションの一本としてリフィール・シェリー・バットの11年もの、55.8度、336本のリミテッド・エディションがボトリング。
 シグナトリーのアン・チル・フィルタード・コレクションからリフィール・シェリー・バットの加水タイプが、サマローリ社の97年蒸留、10年もの、45度が、ジャン・ボワイエ社のベスト・カスク・オブ・スコットランドの一本として43度のヘビーピートがそれぞれボトリング。ちなみに、同じ97年の蒸溜とはいえ、シグナトリーのブナハーブンは旨いが、サマローリは塩素系、ピーティーな味わいでなく、市営プール(都営でないところがミソ)の水に含まれる消毒剤の臭みが強調されている。飲まれるときはプール熱(咽頭結膜熱)やあたまじらみにご注意を。
 新しいところでは2011年にスヴェンスカ・エルドヴァッテンからボトリングされた97年蒸溜、14年もの、アメリカン・ホグスヘッドの57.2度カスクストレングスがある。エルドヴァッテンは、スウェーデンのウイスキー・コレクターとして有名なトミー・アンダーソンとピーター・ショーグレンが立ち上げたスウェーデンのボトラーズ。もともと熱狂的なウイスキーマニアであったトミーがスコットランドを訪れ。グレンフィディック蒸留所やザ・グレンリベット蒸留所を見て回ったことで、そのウイスキーへの情熱がさらに燃え上がり、「エルドヴァッテン(炎の水の意)」ブランドを立ち上げた。
 とにかく、さまざまなボトルが出ているが、シグナトリーのカスク・ストレングス・コレクションとマクファイルズ・コレクションのブナハーブン・ヘビリーピーテッドにとどめを刺す。洋梨の甘い香りとビターなカカオマスのような香ばしい香りがピーティーさに奥行きを与えている、これのどこがブナハーブンですかと問い質したくなる出来映えである。細川のママのために輸入元に電話を入れ、在庫を補填したのは云うまでもない。

 ブナハーブンがヘビリーピーテッドを蒸溜した理由は、ドイツのリンブルグにはじまったウィスキー・フェアが人気を博したことによる。会場向けのボトルが通年で売られるようになり、ウィスキー・フェアは全欧州へ拡がって行き、新しくできたモルト・ウィスキーの客の四分の三がアイラ・モルトを嗜むという。当時、アイラ島に八番目のキルホーマン蒸留所ができたのも、そのブームを見越してのことである。
 ブームとは怖ろしいものでアイラ島以外の蒸留所もヘビリー・ピーテッド・モルトに力を入れはじめた。アイル・オブ・ジュラ、ベンリアック、キャパドニック、アードモア、ベンローマック、スキャパ、グレン・スコシアなどである。詳しくは2008年06月05日の「新入荷のボトル」を読まれたい。


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2017年06月13日 21:12に投稿された記事のページです。

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