神戸物産と共同仕入れをしている大黒天物産は「ラ・ムー (LAMU)」「ディオ (DIO)」などのメガディスカウントランドを経営している。魚住の明石南店と大蔵海岸店が明石の東西に展開されている。わたしはこのような巨大な店舗を信用していなかったのだが、大蔵海岸店の平目と鯛のにぎり寿司(各5巻270円)と大名寿司との巻き寿司(370円)は旨い。旨いと云うより、この値段で昼網の活魚が使えるところが立派と云うほかない。
昔、贔屓にしていた「やまちゃん」との飲み屋が枝吉にあった。店主の名は山内武史、わたしより三歳年下だが、魚のプロで、どれだけ面倒をお掛けしたか分からない。西明石のですぺらのオープニングには包丁持参で駆けつけ、魚を片端から下ろしてくださった。爾来、明石浦漁協で昼網を競り落とすのが日課になった。彼の綽名はスーパーマン。明石、神戸に止まらない、加古川から西宮間のスーパーに精通していた。
その彼が8年前に脳溢血で倒れ、リハビリに勤しんでいたと人づてに聞いた。動かれるようになってからはマックスバリュ西明石南店で働いていたようである。大黒天物産は岡山だが、マックスバリュは広島、今はイオングループの中核をなす。彼はこの7年、マックスバリュ西明石南店で朝網の魚を捌いていたのである。
拙宅の近くにある山陽マルナカ玉津店も同じイオングループだが、こちらにも魚のプロが這入っている。今日はオコゼのアラ6匹分が150円だった。オコゼの身を買う金はないが、こちらなら大丈夫、唐揚げにしてもっとも旨い魚である。
やまちゃんと16年ぶりに杯を傾けた。活魚専門の飲み屋でもはじめようかと、さまざまな料理に話は弾んだ。