2009年07月26日に「来客」と題する文章を書いた。この月16日に靱帯剥離骨折と腎機能の低下により川久保病院へ入院、10月にはときとうクリニックへ、同じく川久保病院へ再入院、21単位の輸血を受けている。「医学的には3度死んでいる」と山崎医師の云う3度はこの期間に集中している。
「なだ万の弁当に鱧と冬瓜の煮付けを持って川津さんが来られた。冬瓜は確かカリウムの含有量が多く、慢性腎不全には不向きかと思ったが、これが実に美味い。冬瓜はかつて店のお通しにもよく使った、店では鱧の替わりに海老を用いたが。おそらく生涯で最後の冬瓜になると心して頂戴した」
今日、冬瓜の煮付けを買ってきた。自分で造ればよいのだが、それでは量が多すぎる。ひとり住まいだと惣菜を買うに如くはない。ただし、なだ万のそれと比して味が濃い、白出汁の中へ入れて一煮立ちさせ、冷やせば美味しく頂戴できる。確かにカリウムは高いが、低残渣の野菜である。それにしても、腎移植に成功し、ふたたび冬瓜と見えることになろうとは。