神大病院の帰り、長田区花山のすみの酒店へ行く。先代がいらして互いに愕く。明石へ戻るに至った事情を簡略に述べる。わたしが20歳代、2号線沿いの湊川大橋西詰に店があったころからの付き合いである。
岩倉酒造場の芋焼酎限定原酒「妻」と磯自慢本醸造5年生貯蔵酒(2050円)を購入。16年前の上京時、大量の磯自慢を購入したが、それ以来久しぶりの磯自慢である。
江戸時代の焼酎は米焼酎、侵略した琉球王朝(奄美、沖縄)の琉球酒には奄美の黒糖焼酎も含まれてい、こちらはとんでもない高級酒だった。中南米生まれの甘藷が琉球経由でわが国へ伝来するのは1705年のこと。芋焼酎の歴史は米のそれと比して新しい。
岩倉幸雄さんはインタビューで語る。「昭和20年以前、戦前は、どこも焼酎といえば米焼酎だったんです。小作に貸している田んぼからの上納米で造るから米焼酎。それが、戦後の食糧難で米がなくなって、仕方なく芋を原料にするようになったんです・・・だから、芋焼酎の歴史はまだ浅い。技術的にも、完成度が低くて、それだから「芋は臭い」とか言われてきたんですよ」。
一段落したようだが、このところの焼酎ブームにあやかって、飲みやすさを前面に打ち出した焼酎、樽で貯蔵したウイスキー擬きの焼酎(古来、焼酎は蘭引きといって樫樽で熟成された)など、さまざまな香味の焼酎が楽しまれるようになった。快なる哉。