片や「炎の料理人」片や「ラーメンの鬼」、共に糖尿病で逝く。塩鮭と青ネギのチャーハンにせよ、醤油ラーメンにせよ、命懸けで食さなければならない料理であった。ラーメンが料理のカテゴリーに這入るのかどうかはともかく、「ラーメン道」などと宣う権威主義はいただけない。素人ほどなにかにつけて「道」を付けたがる。剣道、柔道、空手道、ことごとくが権威主義の権化である。剣道とラーメンとどちらが偉いのか、冥界で気が済むまで議論していただきましょう。
身体を案じて奥方が拵えしラーメンの味が薄すぎたとか、料理は万人によって食されねばならない。味の濃淡は個々の客が好みに応じて付けるもの、料理人の好みを客に押し付けるなどあってはならないことである。