ダッシュボードのハザードランプが点きっぱなしである。ハザードランプ自体が点いているわけではないので車の運転に支障はない。ランプの接触不良と云った単純な問題ではない。メーカーでなければ正確な理由は分からないが、おそらくトラクションコントロールに原因ありと見た。
で、そのトラクションコントロールに悩まされている。トラクションコントロールは自動車の制御機構の一種で、発進・加速時のタイヤの空転を防止する装置。ボルボは古く1986年から開発が進められ、1991年6月に850シリーズにはじめて標準装備された。ABSの制御を利用して行われるタイプだった。
日本ではレガシィ2代目 BD/BG系(1993年-1998年)のGT-BおよびRSのMT車は、一般量産2.0L車としては世界で初めて最高出力280psに到達、FF車としては初のTCS(トラクションコントロールシステム)が設けられた。
わたしは今まで後輪駆動車(FR)にばかり乗ってきた。前輪駆動車(FF)に乗ったこともあるが自然吸気だけだった。今回はじめてFFのツインターボに乗ったわけだが、これが難儀な車である。わたしには発進時にアクセルをベタ踏みする悪い癖がある。その度々に駆動輪が空転、周章ててアクセルから足を開放する。アクセルペダルの踏み込みを細かく調節して空転(ホイールスピン)を防止しなければならないのである。ボルボの場合、徹底的にトラクションコントロールでパワーダウンを計っている。
大パワーだとFR有利、小パワーはFF有利となるのだが、今の技術レベルだと、ボーダーラインは一般車で車重1トンあたり160馬力。レーシングカーが1トンあたり300馬力程度だと言われる。このレベルを超えると、FF車はホイールスピンにより十分な駆動力を伝えることが出来なくなり、下回るとFR車の価値が薄れていく。
要するに前輪駆動車の運転にわたしは慣れていない。FF車は普通は全てトランスアクスルになるので、デフとミッションは一体構造だし、プロペラシャフトもない。後輪なんぞドライブシャフトもなく転がってるだけである。況んや直列6気筒が左右のタイヤハウスを浸食し、回転半径はとんでもなく大きい。糅てて加えて俊敏な加速をするようなレーシーな走りは行えない。はてさて、どうしたものだろう。
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